紙飛行機~ラブレターの想い~
今度は私が声を張り上げた。
千夜は目を丸くして、私に視線を向ける。
「千夜がいてくれたおかげで、私はもっと野球を好きになった。千夜が受け止めてくれたおかげで、また一歩踏み出せた。
全部、千夜のおかげだよ!ありがとう」
届け、届け。
私の想いが、1ミリもこぼれ落ちないように。
伝われ、伝わって...!
心にあふれる感謝をそのまま、声に乗せて。
「千夜、ありがとう」
ブランコから降りた私は、もう一度千夜にそう伝えた。千夜と同じ目線になるようにしゃがんで、手を取って。