紙飛行機~ラブレターの想い~
金色の流星群
あの日のこと...?
中学の頃のこと?何かあったっけ?
記憶の引き出しを引っ張り出して、“あの日のこと”を探す。
だけど見つけられなくて、私は申し訳なさそうに首を横に振った。
「ごめん、千夜。覚えてない」
「そっか...」
「なに?あの日のことって」
寂しそうな千夜の横顔に、私の胸は軋んだような痛みに襲われる。
「いや、覚えてなかったらいいんだ」
千夜はそれだけ言って、私に背を向けた。
千夜の大きな背中が、なんだか儚くて見えた。