おいてけぼりティーンネイジャー
紅白が終わって、鐘の映像が始まった。
京都の寺が映ると、つい見入ってしまう。
知織、映らないかなあ。
「暎さんは、ご結婚なさらないんですか?」
義姉が突然そう聞いてきた。
「おい!」
無神経な質問に、兄貴が慌てて義姉を窘めるが、この嫂(あによめ)には通じてないようだ。
俺は苦笑まじりに返事した。
「いや、いいよ。どうせ、その話もしたくて帰ってきたんだ。あのさー、俺、どうしても結婚したい子がいるんだ。」
父の顔が硬直し、母はパッと顔を輝かせた。
「まああ!どこのお嬢さん?」
「芸能人!?」
母と義姉がそう聞いてきた。
でも、父と兄貴は黙って俺の次の言葉を待っているようだ。
「普通の子。でも俺、その子の母親と昔つきあったことがあって、向こうの両親が許してくれそうにないんだよ。どうしたらいいと思う?」
誰も何も言わないまま時が進み、テレビが年が明けたことを伝えた。
最初に口を開いたのは兄貴だった。
「えーと、暎(はゆる)くん?君、いくつのお嬢さんと付き合ってるの?」
「16。出逢った時は14だったんだけど、さすがに犯罪かなあって。結婚できる歳になるまで待ってた。あ、おれ、ロリコンじゃないから。」
「16でも、親御さんの了解がとれなきゃ犯罪です!」
義姉が鬼みたいな顔でそう怒った。
「淫行で訴えられたらどうするんですか!」
俺は肩をすくめて見せた。
「そんな親じゃないよ。」
この義姉と話すと、無駄に疲れる。
俺は、ため息をついて、父と母に向き合った。
「今度連れて来るからさー、優しくしてやってくんない?四面楚歌じゃ、かわいそうだから。」
父は目をカッと開いて口を結んだまま無言でいた。
母は困っていたようだけど、最終的にはうなずいた。
「ま、とりあえず、連れてらっしゃい。話はそれからよ。暎が前に付き合ってたアイドルみたいに、まともな会話もできないようなお嬢さんじゃ、困りますからね!」
……古傷をえぐるなあ。
「絶対、気に入るよ!いい子だもん!」
俺はそう言いながらも、この義姉とは合わないかも?と、少し不安になった。
ま、なるようになるか!
久しぶりに入った俺の部屋は、何も変わってなかった。
むしろ掃除がよく行き届いてて、綺麗なぐらいだ。
ベッドに寝転がって、知織にメールした。
<あけましておめでとう。電話していい?>
すぐに知織が電話をかけてきてくれた。
京都の寺が映ると、つい見入ってしまう。
知織、映らないかなあ。
「暎さんは、ご結婚なさらないんですか?」
義姉が突然そう聞いてきた。
「おい!」
無神経な質問に、兄貴が慌てて義姉を窘めるが、この嫂(あによめ)には通じてないようだ。
俺は苦笑まじりに返事した。
「いや、いいよ。どうせ、その話もしたくて帰ってきたんだ。あのさー、俺、どうしても結婚したい子がいるんだ。」
父の顔が硬直し、母はパッと顔を輝かせた。
「まああ!どこのお嬢さん?」
「芸能人!?」
母と義姉がそう聞いてきた。
でも、父と兄貴は黙って俺の次の言葉を待っているようだ。
「普通の子。でも俺、その子の母親と昔つきあったことがあって、向こうの両親が許してくれそうにないんだよ。どうしたらいいと思う?」
誰も何も言わないまま時が進み、テレビが年が明けたことを伝えた。
最初に口を開いたのは兄貴だった。
「えーと、暎(はゆる)くん?君、いくつのお嬢さんと付き合ってるの?」
「16。出逢った時は14だったんだけど、さすがに犯罪かなあって。結婚できる歳になるまで待ってた。あ、おれ、ロリコンじゃないから。」
「16でも、親御さんの了解がとれなきゃ犯罪です!」
義姉が鬼みたいな顔でそう怒った。
「淫行で訴えられたらどうするんですか!」
俺は肩をすくめて見せた。
「そんな親じゃないよ。」
この義姉と話すと、無駄に疲れる。
俺は、ため息をついて、父と母に向き合った。
「今度連れて来るからさー、優しくしてやってくんない?四面楚歌じゃ、かわいそうだから。」
父は目をカッと開いて口を結んだまま無言でいた。
母は困っていたようだけど、最終的にはうなずいた。
「ま、とりあえず、連れてらっしゃい。話はそれからよ。暎が前に付き合ってたアイドルみたいに、まともな会話もできないようなお嬢さんじゃ、困りますからね!」
……古傷をえぐるなあ。
「絶対、気に入るよ!いい子だもん!」
俺はそう言いながらも、この義姉とは合わないかも?と、少し不安になった。
ま、なるようになるか!
久しぶりに入った俺の部屋は、何も変わってなかった。
むしろ掃除がよく行き届いてて、綺麗なぐらいだ。
ベッドに寝転がって、知織にメールした。
<あけましておめでとう。電話していい?>
すぐに知織が電話をかけてきてくれた。