おいてけぼりティーンネイジャー
冷蔵庫もない、ガスもとめられた部屋には、書きかけの五線譜があふれていた。
「ここに住んでるの?生活感ないのね。作業場みたい。」
「俺、霞(かすみ)喰って生きてるから。アリサは?身体、どう?あれから、元気だった?」
部屋の規模に不似合いなダブルベッドを椅子がわりに座り、所在なく立ちすくむアリサを手招きして、俺の横をポンポンと叩いた。
「座れば?」
アリサは、何とも言えない複雑な表情になった。
「……あの夜、病院と、同じ。」
……思い出せない。
でも、病院ではたぶん本当にちゃんと話したくて、呼び寄せたのだろう。
今は違う。
俺は、アリサを喰らうことしか考えてなかった。
おとなしく横に座ったアリサの伏せたまつげを間近で見ると、本気で歯止めがきかなくなった。
軽く頬に口づけて、驚くアリサに微笑みかけた。
「元気だった?」
アリサは赤くなって、俺の唇が触れたあたりを右手でおさえながらうなずいた。
今度は、アリサの白い額に口づける。
「よかった。今、幸せかい?」
アリサは泣きそうな微笑みを浮かべた。
「……妬けるね。」
そう言いながらアリサの目をジッと見つめた。
アリサが何か言おうとしたその唇を捉えた。
……もう言葉はいらない。
俺は、アリサの目から怯えが消えるまで、何度も深いキスを重ねた。
キスする時も、ベッドにアリサを押し倒した時も、スカートの裾を割った時も、アリサは小さな抵抗とためらいを見せたが、若干の震えと共に結局は俺のペースに流された。
でも、背中のファスナーを下げてワンピースを脱がせようとしていると、アリサは泣きだした。
「お願い……電気を消して……こんな身体、暎(はゆる)くんに見られたくない……」
こんな身体?
あ……手術の傷痕?
それは、女の子的には、つらいかもな。
俺は室内灯の紐を引いて、豆電球だけにした。
「これで、いい?アリサの顔だけ見てるから。」
俺はそう言いながらアリサを背後から抱き締めた。
アリサは黙ってうつむいて、両手で胸を隠そうと、自分を抱きしめていた。
その手からこぼれた乳房の下から脇にかけて、大きな手術痕が確かに見えた。
……急に俺の中に、愛しさがこみあげてきた。
遠いあの日、アリサに抱いた純粋な想いを取り戻して、胸が激しく騒ぎ出した。
「アリサ。かわいい。好きだよ。ずっと、こうしたかった……」
嘘いつわりのない想いをこめて、俺はアリサを抱いた。
アリサは傷ついた小鳥のように、ずっと震えて、瞳を涙で濡らしていた。
……どうやら初めてだったらしい。
なるべく痛くないよう、時間をかけて、優しく愛した。
「ここに住んでるの?生活感ないのね。作業場みたい。」
「俺、霞(かすみ)喰って生きてるから。アリサは?身体、どう?あれから、元気だった?」
部屋の規模に不似合いなダブルベッドを椅子がわりに座り、所在なく立ちすくむアリサを手招きして、俺の横をポンポンと叩いた。
「座れば?」
アリサは、何とも言えない複雑な表情になった。
「……あの夜、病院と、同じ。」
……思い出せない。
でも、病院ではたぶん本当にちゃんと話したくて、呼び寄せたのだろう。
今は違う。
俺は、アリサを喰らうことしか考えてなかった。
おとなしく横に座ったアリサの伏せたまつげを間近で見ると、本気で歯止めがきかなくなった。
軽く頬に口づけて、驚くアリサに微笑みかけた。
「元気だった?」
アリサは赤くなって、俺の唇が触れたあたりを右手でおさえながらうなずいた。
今度は、アリサの白い額に口づける。
「よかった。今、幸せかい?」
アリサは泣きそうな微笑みを浮かべた。
「……妬けるね。」
そう言いながらアリサの目をジッと見つめた。
アリサが何か言おうとしたその唇を捉えた。
……もう言葉はいらない。
俺は、アリサの目から怯えが消えるまで、何度も深いキスを重ねた。
キスする時も、ベッドにアリサを押し倒した時も、スカートの裾を割った時も、アリサは小さな抵抗とためらいを見せたが、若干の震えと共に結局は俺のペースに流された。
でも、背中のファスナーを下げてワンピースを脱がせようとしていると、アリサは泣きだした。
「お願い……電気を消して……こんな身体、暎(はゆる)くんに見られたくない……」
こんな身体?
あ……手術の傷痕?
それは、女の子的には、つらいかもな。
俺は室内灯の紐を引いて、豆電球だけにした。
「これで、いい?アリサの顔だけ見てるから。」
俺はそう言いながらアリサを背後から抱き締めた。
アリサは黙ってうつむいて、両手で胸を隠そうと、自分を抱きしめていた。
その手からこぼれた乳房の下から脇にかけて、大きな手術痕が確かに見えた。
……急に俺の中に、愛しさがこみあげてきた。
遠いあの日、アリサに抱いた純粋な想いを取り戻して、胸が激しく騒ぎ出した。
「アリサ。かわいい。好きだよ。ずっと、こうしたかった……」
嘘いつわりのない想いをこめて、俺はアリサを抱いた。
アリサは傷ついた小鳥のように、ずっと震えて、瞳を涙で濡らしていた。
……どうやら初めてだったらしい。
なるべく痛くないよう、時間をかけて、優しく愛した。