双姫 Ⅰ


『あっっっんのクソ兄貴ーーー!!!』


「わぁ~♪蒼翔が叫んでるぅ~~♪♪♪」


「レアですね。今日二つ目のレアです。」


『笑い事じゃねぇよ。帰ったらシメてやる。』


「兄貴も怖ぇけど蒼翔も負けてねぇな!」


そんな話をしながら病院を出ると
もう日が沈みかけていた。


「うわぁ!見て見て!!真っ赤!!」


「あぁ、スゲェ。」


「ここ迄赤いのは初めて見ました。」


「綺麗だな……。」


「美味そうだな!黄身みたいで!!」


『「「「「………。」」」」』


「ん~?幻聴かな~~??
そろそろ帰ろっ!!変な人は置いて!!!」


『「「「賛成(です)~。」」」』


「お、置いて行くなよぉ!!」


慌てて愁斗が輪に入って来た。


「蒼翔…明日は学校来る?」


不安気に類が私に聞いてきた。

皆の視線が私に集まるのを感じる。


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