双姫 Ⅰ


『…明日まで休む。行きたい所があるんだ。』


「そういえば行く所あるって言ってたね。
俺が引き止めたから…。」


『それが済んだら行くよ。』


「約束!」


そう言って小指を私に向ける。


『………?』


「指切り!!」


" おねぇちゃん!指切り!!

ゆ~びきりげ~んまん~
う~そついた~ら は~りせんぼんの~ます!
ゆ~びきった!!

これしたら
やくそくまもらないといけないんだって!

おねぇちゃん!やくそくだよ??"


あぁ、約束したな。

そうだ私にはやる事があるんだった。


「…蒼翔??」


『そんな事しなくてもちゃんと行く。
じゃあな…明後日に学校で会おう。』


類の横を通り過ぎ、


『ありがとう。』


小さく小さく呟いた。


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