双姫 Ⅰ
邦ヶ丘高校
『遅刻、遅刻、遅刻ーーーーーー!!』
周りを気にせずひたすら走り続ける。
今の季節は秋。
そのおかげで汗ばむ事も無いから
ウィッグも辛くない。
あ、言っとくけどウィッグは黒じゃなくて
明るめのブラウンだからね?
まぁ、フード被ってるから見えないけど(笑)
言い忘れてたけど
私は『双姫』ていう通り名があるんだ♪
暴走族が居るんだけど、
正当な奴とそうじゃない奴を
判別して潰すのが私の役目なの。
で、多くの族を潰してる内に
通り名がつくまで話題となっちゃいました♡
ハッキングされても勿論大丈夫。
ちゃんとロックしてるしね?
『双姫』の情報は女と黒髪しか知られていない。
" もしバレたら………。"
『……母さん。
私は『アイツら』に復讐出来れば良いの。』
母さんの会話を思い出しながら走っていると、
目の前に邦ヶ丘高校が見えた。
『…校門閉まってるし!!』
時計を確認すると8時55分。