双姫 Ⅰ
「あぁ!?」
「見て分かんねぇのかよ。
コイツを痛ぶってんだよ!」
『蛇蝎』の奴らが俺から離れ
女の方へ近付いて行く。
女はそれを面白そうにただ笑っている。
『…そっか♪
じゃあ、私が貴方達を痛ぶっても良いよね?』
「はぁ?
気色悪い仮面なんか付けやがって
なんだお前。殺されてぇのか??」
マズい。
コイツらは人が傷付く事になんとも思わない。
殺ろう思えば殺るそれが『蛇蝎』だ。
でも、
『ふぅ~ん?ねぇ、『双姫』って知ってる?』
女は平気で話し始めた。
「は?なんだいきなり。」
うん、そうなるよな。
それでも女は気にも止めずに喋り続ける。
『『双姫』はねぇ?
アンタ達みたいに
弱い者虐めする奴が大っ嫌いなんだ~♪
だから…お前ら大人しく潰されて?』
寒気がした。それと同時に高揚感が募る。
だって、あの『双姫』が目の前に居るんだ。