双姫 Ⅰ


『逃げんなよ。クソ『天龍』!!』


「わ、悪かったよ蒼翔!」


『謝んのは俺じゃねぇーだろ?
お前の脳には
常識って言葉が記憶されてねぇよーだな!』


「謝るのは『双覇』の皆さんです!あッ!!」


走り回ってたせいで紘にぃが持ってた
お弁当から卵焼きがポトリと床に落ちた。


『……こっっのクソ『天龍』ーー!!
卵焼きに謝れぇー!!』


「ヒェーーーーー!!」


なんで卵焼き!? by 双覇


「…説明するわ。紘と蒼翔のお母さん。
名前は悠華さんって言うんだけど
これまた料理がプロ級でね。

蒼翔は悠華さんの
手作り弁当が大好きなのよ。」


「あ、今日弁当忘れて
すっごいショック受けてたよな!!」


「あちゃー(笑)
食い物の恨みは凄まじいからねぇ♪」


「芦基、アンタ楽しんでるでしょ…。
とにかくこれでまた紘への怒りが
増してしまったわね。」


哀れみの目で紘を見つめる実基。


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