双姫 Ⅰ


「………コントみたい。」


「確か類だったわね?
貴方はどこか蒼翔と似てるわ。」


「俺も…初めそう思った。」


「…貴方も何か背負っているのね。
でも、蒼翔を救おうとしてくれてるのね?」


「…蒼翔は友達だから。」


「類、その言葉忘れないで。
あの子は繋がりを持っていないと
壊れてしまうから。」


「……え?」


「あら、もう決着がつきそうよ?
やっぱり今回も蒼翔が勝ったわね?
初めからお弁当渡せば良かったのよ。」


そう言って
『優龍』は蒼翔達の方へ駆け寄って行く。


見ると蒼翔は弁当を嬉しそうに食べている。
さっきまでのやり取りはなんだったのか。


「とっくに授業始まってるだろーから
このまま皆でサボっちゃいましょ♪」


その提案で
俺達はこのまま屋上でサボることになり
蒼翔と『天龍』とのおかしな争いは終わった。


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