双姫 Ⅰ
女嫌いな原因
類side
"類、その言葉忘れないで。
あの子は繋がりを持っていないと
壊れてしまうから。"
『優龍』が言った言葉が引っ掛かる。
…でも、やっぱり女は嫌いだ。
話してるだけでも
身体が床に崩れそうだった。
皆に気付かれないよう深呼吸する。
『類。』
「あ、蒼翔。大丈夫?」
『ん?俺より紘にぃのが
相当ダメージ受けてっけどな?』
蒼翔が指差す方を
見ると放心状態の『天龍』の姿。
『肉体的にじゃなく
精神的にボコボコにしてやった!!』
「…うん、聞いてて凄かったもん。」
『そうか?それより、類。大丈夫か?』
「え…?何が?」
『実基姉と話してる時、
若干手が震えてたからさ。
辛かったんじゃねぇーの??』
あんなに『天龍』を
追い掛け回してたのに気付いて…?