双姫 Ⅰ
『少し離れるか。
あっちはあっちで盛り上がってるし。』
そう言って蒼翔が俺の左腕を引いて
少し離れた場所に腰掛けた。
俺も蒼翔の横にくっつくように座る。
『腕、まだ痛てぇ…??』
俺の腕を心配しているのか
不安気に聞いてくる蒼翔に
「ううん、大分良くなった!」
軽く手を振って大丈夫をアピールをする。
『そっか、なら良い。』
フード被ってて表情は分からないけど
蒼翔は最近笑うようになった。
俺はそれが途轍もなく嬉しい。
初めて蒼翔を見た時、
仲良くする気なんて全然なかったけど
今は仲良くなりたいって思ってる。
仲間しか信用しない俺は
いつの間にか蒼翔に心を許してた。
蒼翔は信じられるそう思ったんだ。
だから、聞いて欲しいんだ。
俺の過去を。
類sideEND