双姫 Ⅰ


「れ、玲まで~…(泣)」


「はいはい、皆さん。
サッサとあの門を飛び越えますよ?
藤先を怒らせると厄介ですからね………。」


「は、早く行こうよ!!
僕…名簿で叩かれたくないよぉ!!」


「あんなの誰だって
好き好んで叩かれに行く奴なんていねぇよ!」


「……俺も…嫌だ……。
愁斗だけ叩かれれば良いのに…………。」


「それは同感です。」


「あぁ、俺もだ。」


「お、お前ら…俺を売るのかよ!?」


「「「「当たり前だ(です)。」」」」


「は、薄情者ぅぅぅ!」


「全く、そうならない為に
こうして走っているんです。

早く行き……待って下さい。」


いきなり李樹が立ち止まった。


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