双姫 Ⅰ
『この事、皆にバラしても潰すからね。
直ちゃんはそんな事しないもんね??』
「俺を脅してるのか…?」
『そうだね…?とりあえずさ〜?
『蛇蝎』の下っ端の名前教えてよ。
名簿か何かちょーだい?
確か三人居るんだよね??
ソイツら使って東条あぶり出すから。』
「……。」
『直ちゃん、力ずくで取られたいの?
それならそうするけど。』
「…旧校舎一年の秋原、城田、宮下だ。」
『秋原、城田、宮下ね。
分かった!ありがと、直ちゃん♪』
そのまま理事長室を出ようとする。
「朱音!!…まさか死ぬつもりじゃねぇよな?」
『……さぁね♪』
曖昧な返事をして私は理事長室を出た。
「死なねぇって…言ってくれよ!!」
扉越しに直ちゃんの悲痛な声が聞こえ、
私は逃げるように教室へ向かった。