双姫 Ⅰ
〈朱音、よく聞け。
これは『蛇蝎』が動き出したと見て良い。
…一応『双覇』も気を付けろ。〉
『…それは俺をあぶり出す為か?ハハッ!
まさかあっちから出向いてくれるとはな。』
〈朱音。馬鹿な事、考えて無いよな…?〉
『あっちが暴れてんなら俺も暴れてやるよ。』
〈しゅお…ブツ!ツーツーツー……〉
直ちゃんが
何か言いかけたけど切ってやった。
それにしても思ったより早かったな。
「蒼翔…?さっきの電話…。」
あ、そういえば『双覇』の倉庫だった。
『あー…直ちゃんっていう知り合い。』
「じゃなくて、
俺をあぶり出す為とかなんとかって!」
聞かれてたか。あーあ…潮時か??
結構、楽しかったんだけどな…?
でもいつかこうなるって分かってた。
それが少し早くなっただけ。