双姫 Ⅰ


『そうか、なら。
腕一本使い物にならなくしてやろうか。』


手に力を入れると
ミシミシ…と骨が軋む音がする。


「や、止めてくれぇ!!」


『言う気になったか。』


「わ、分からないんだ!

「遂に『双姫』をあぶり出す為の
作戦を思い付いた」って
言ったっきり倉庫にも戻って来ていない!

電話しても留守電なんだよ!嘘じゃない!!」


『何…??』


どういう事だ??


『……じゃあ、伝えろ。
俺らはお前に恨みを抱いている。
会う事になったら息の根を止めるとな。』


その言葉に顔を青くする三人。


『さぁ、会うのが楽しみだなぁ?』


そう言って笑う私の顔は
きっと狂気に歪んでいる事だろう。


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