双姫 Ⅰ
「そうだ!
蒼翔に電話!…って僕、番号知らない。」
「私も知りません。」
「俺も知らねぇ。」
「同じく知らねぇ。」
「俺も知らない……。」
あんなに一緒に居たのに知らないなんて。
「僕ら蒼翔の事、何も知らないんだね。」
「…ならこれから
知っていけば良いじゃないっすか!」
今まで黙っていた疾風が急に口を開いた。
「そうだね…うん!
もっと蒼翔の事聞こうよ!!」
「と言っても明日学校来んのか?」
「……来なそう…。」
「玲、どうします??」
皆が一斉に玲を見る。
「先ず、明日は学校に行って
蒼翔が来るかどうか確認する。
もし、来なかったら『神龍』に話す。
蒼翔の兄貴なら知ってるだろ。」
「も、もし知らなかったら…?」
「その『なおちゃん』を探す。」
「成程!」
蒼翔、お前が何を考えて
あんな事したのか分からない。
でも、そうしたくてしたんじゃないと思う。
俺らと一緒に過ごしてた時間を信じてるから。
双覇sideEND