双姫 Ⅰ
「朱音ちゃん私は園の子供達を
見なきゃいけないんだけど一緒に行く??」
『…そうですね、行きます。』
そういえば行くの久しぶりだな。
何年ぶりだっけ?
そう思いながら奈緒珠さんと来た場所は
『壱岐保護施設』
所謂、孤児を保護する所ね。
私もここでお世話になってた。
数年前にね。その時、奈緒珠さんに会ったんだ。
奈緒珠さんに聞いた話だと
私は産まれて間も無い頃に
この施設の前に捨てられてたらしい。
名前は御丁寧に紙に書かれてたとか。
捨てるのになんで名前つけたんだろうね。
意味分かんないわ。
苦い記憶を思い出しつつ園の中へ進む。