双姫 Ⅰ


「蒼翔の野郎…カッコつけやがって!」


疾風の話を聞き終わった俺らは
蒼翔の今までの行動を全て理解した。


蒼翔は俺らを
『蛇蝎』から遠ざけようとしてくれてる。


だからあんな行動をとったのだと。


「いつの間にか『双覇』はあの子にとって
大切な「居場所」になってたみたいね…。」


「そうみたいだな。
流石、テストを合格しただけはある。」


「あの、それともう一つあるんです。」


その言葉に皆が一斉に疾風を見る。


「さっき、
クラスで『双姫』の話題を聞きました。
『蛇蝎』が情報を流したんだと思います…。」


「なんだと!?」


「直紀さん!パソコン借ります!!」


「おわぁ!!」


紘が直紀を押し退けてパソコンを開く。


そこには


二人目の『双姫』出現

白い仮面、蒼の瞳『白双姫』、女
黒い仮面、朱の瞳『黒双姫』、男

『蛇蝎』に恨みを持つ者。
よって、『双姫』を排除する者とする。


と書かれてあった。


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