双姫 Ⅰ
「『白双姫』?『黒双姫』??」
「え?『双姫』って二人居るの??」
「…違う、多分どちらも蒼翔さんです。」
「疾風って言ったか?なかなか鋭い奴だな。」
紘が疾風の頭に手を乗せ、掻き回す。
「…どういう意味ですか?
では何故二人目と表現されているんです??」
「蒼翔さんの目の色は
『朱』と『蒼』のオッドアイなんです。
俺は殴ろうとした時に見えました。」
「仮面って書かれてんのは
『双姫』の格好する時だけに
つける半分型の仮面の事だ。
『白双姫』の時は
女の姿で『蒼の瞳』を見せる。
『黒双姫』の時は
男の姿で『朱の瞳』を見せる。
これで一人二役の完成って訳だ。」
「ふ、複雑過ぎて分かんねぇ…。」
「要するに蒼翔さんは一人で
二人の『双姫』を演じてるという事ですか?」
「大雑把に言えばそーいう事だ。」
「蒼翔…大丈夫かな。
だって『双姫』は一人なのに
そこを大人数で攻められたら…。」
「…『蛇蝎』は問題無い。
あるとしたらバックについてる組だ。
アイツらには『千騎組』がついてる。」
「『千騎組』??
って、色々問題起こしてる組だよな。」
「そうだ、そこさえ潰せばなんて事無い。」
「「じゃあ、そこを潰せば良い。」」
紘と類がハモった。