双姫 Ⅰ
双覇
「やっぱり門の前に居た子だ~!」
可愛い系の男が私を指差しながら
周りの男達と話している。
…やっぱ見られてたんだ。
他の生徒からは「暗い」だの「地味」など
まぁ、様々な言葉を頂きました。
「じゃあ、自己紹介。」
『…神崎蒼翔。俺に関わらないでくれ。』
クラス「………。」
双覇「………。」
「あーじゃあ…蒼翔は空いてる席な?」
…ちょっと待て。
「空いてる席な」って
『双覇』の近くしか無いじゃん。
窓側で席は後方。
私の席を囲む様に『双覇』が座っていた。
前後左右にね。
ギロりと光ちゃんを睨むと、
「じゃ、じゃあお前ら授業の準備しろよっ!?」
慌てて教室から出て行った。