双姫 Ⅰ
『どうしますかね。
ここに居たら見つかるのは時間の問題。』
今頃、紘にぃが奈緒珠さんに
私の事を聞いている頃だろう。
『…正面突破といきますか。』
『神龍』ならともかく『双覇』ならいける。
だって実証済みですもんね。
とにかく捕まらなければ良い。
その後は全力で撒いて
奈緒珠さんの家にある荷物を取る。
『……鍵どうしよう。
荷物取った後またここに戻るってのは…。』
うーん…と考えていると、
カサッ…
後ろから気配を感じた。
『ッ!?』
「朱音…見つけた。」
私の背後に立っていたのは類だった。