双姫 Ⅰ
『ヤバい…迷った……。』
焦り過ぎて適当走ってたけど
私ここら辺の道、詳しくないんだった。
とりあえず街を目指して一人トボトボと歩く。
『…すっかり夜になっちゃった。』
幸い、ここの地域は外灯が充実している。
夜でも結構明るいから助かるけど
空を見上げると真っ暗だ。
『ん?ここ見覚えが…あぁ、あの十字路か。』
少し先に真白と一緒に通った十字路が見えた。
確か十字路曲がって右が真白の家だった筈。
その家の前に立ち止まってみる。
見上げると窓から暖かい光が見えた。
『初めて実基姉以外と喋ったな…。』
でも、もう会う事も無いだろう。
そう思って足を進め、十字路を曲がった。
「あーーーーーーーー!!!!!」
すると後ろから
飛び上がる程の大きな声が聞こえた。
『な、なんだ…?』
慌てて後ろを振り向く。
ま…まさか……ユーレイ?
こんな性格ですが…苦手分野です。
「朱音!やっと見つけたぁーーー!!」
前言撤回、コイツらのがよっぽど恐ろしい。