双姫 Ⅰ
「……これでも次期組長だからね。
親父達に鍛えられたから
まぁ、それなりに…ごめん黙ってて。」
「…類。『双覇』の総長になれ。」
玲の突然の言葉に静寂に包まれる。
「は…?何言ってんだよ玲。」
「俺より強いのに
俺が総長でいる理由がねぇ。」
「ちょ、ちょっと玲!!」
「何言ってるんですか!?」
「ふざけんなよ!!」
「俺は至って真面目だ。」
「…玲。そう言うと思ってた。
でも、総長ってただ強ければなれるもん?
俺はそう思わないけど。
玲だから皆付いて来るんだよ。
俺もその一人なんだけどな?」
「僕もだよ!?」
「勿論、私もです。」
「俺もだぞ!?」
「玲、これでも俺に総長を押し付ける?」
「…類。悪ぃ……俺、カッコわりぃな。
さっきの忘れてくれ。」
「もう忘れたよ、玲がカッコ悪いのなんて。」
「忘れてねぇじゃねーか!!」
その後、
幹部室でギャーギャーと騒いでいた。
その時、
ガチャ…
一つの扉が開いた。
双覇sideEND