双姫 Ⅰ
『………は?』
扉を開けてあらビックリ。
『双覇』の皆さんが揃っていらっしゃる。
向こうも向こうで目を見開いている。
『んだよ、人を化けモンみた…!』
ここで初めて
自分がフードを被っていない事に気付き、
慌てて顔を隠した。
「ねぇ…なんで隠したの?」
『……どうせ気味わりぃって言うだろ?』
この瞳が嫌いな訳じゃない。
でも、人にそう言われるのは嫌だった。
「…そんな事言いませんよ。
余りにも綺麗だったので驚いただけです。
だから、外してください。
言葉ももう偽らなくても良いんですよ?」
「朱音、お願いだから…ね?」
今迄低くしていた声を元の声に戻し、
『…ハァ…分かったよ。』
私がそう言うと皆どこか嬉しそうだった。