双姫 Ⅰ
「ねぇ、朱音。
これでも人を…俺らを信じられない?」
信じられない…でも、信じたいって思う。
『双覇』に会ってから驚く事の連続だった。
それは今でも変わらず
私の気持ちを尽く変えていってしまう。
『……長くなるよ?
聞いてもつまんないけど聞きたいの?』
「話して、力になりたいから。」
「そうですよ。」
「友達だからね!」
「ここまで来んのに手間取ったぜ!!」
「話せ。」
皆、こんな私を見てくれてた…。
どんなに突き放しても
見捨てないで食らいついてくれた。
そんな『双覇』に打ち明けたいと思えた。
『…話すよ、私の過去を…全部…。』
どうして私が『蛇蝎』を追うのか。
どうして私が『東条』を恨んでいるのか。
どうして私が『双姫』になったのか。
その全てを話すよ。