双姫 Ⅰ
" おねぇちゃんいなきゃヤダ!!"
『蒼空が嫌いだった。
でもその一言で…大好きな妹になった。』
単純なのかもしれない。
でも、誰も私を認めてくれないと
思ってたのに自分が嫌っていた妹だけが
私を認めていたんだ。
その途端モノクロだった世界に
色が付いたような気がしたの。
夫婦は奈緒珠さんに説得され、
引き取りの話は白紙に戻された。
「おねぇちゃん…。しえるといっしょ??」
『うん、いっしょだよ…。』
「やったぁー!じゃあゆびきりしようよ!」
『ゆびきり…?なにそれ…。』
「こゆびー!こゆびだしてぇ!」
蒼空の小指と私の小指が絡まる。
『……?』
「ゆ~びきりげ~んまん~
う~そついた~ら は~りせんぼんの~ます!
ゆ~びきった!!
これしたら
やくそくまもらないといけないんだって!
おねぇちゃん!やくそくだよ??」
『うん!やくそく!!』
私達はお互いに誓いを交わした。
『いつまでもずっと…。』
それだけの些細な願い。
「ふたりで!!」
そう言ったのに。