双姫 Ⅰ


『神崎組』と『神龍』によって
鍛えられた私は一人で『族潰し』を始めた。


顔を覚えられないように
何故か気に入って買った仮面を付けて、
汚い事をする族を手当り次第潰した。


アイツらの姿を重ねながら。


この頃から白と黒の仮面を使い分けてる。
噂では白の方しか広まってなかったけど。


『双姫』という呼び名は私が自分でつけた。


由来は

黒仮面は 『朱音』として
白仮面は 『蒼空』として

蒼空が姫なら私も姫。

二人で一つ…双りで一つの姫。
一つの身体に二人、だから『双姫』と名付けた。


名が広まれば情報も集めやすくなると思って
無我夢中で暴れまくった。


蒼空との『約束』を守る為に。

蒼空の側に早く行きたくて、会いたくて。


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