双姫 Ⅰ
約束
『…これが私の過去。
いや~長かった長かった!!』
自分でもこんなに長くなるとは思わなくて
座ってたソファーに深く沈んだ。
てか、こんなに話したの
今回が初めてじゃない?(笑)
『ちょっと皆さん?
何だんまりしてるんですかね。』
皆の顔を見ると暗い表情をしている。
『あー!暗いの無理。
私は東条を見つけたから機嫌良いんだよー?』
目の前にあったお菓子を頬張り、笑う。
グイッ!
『わぁ!』
次のお菓子を取ろうと伸ばした手を捕まれ、
いきなり抱き締められた。
『な、何?類。いきなり抱き締めるなんて…。
てか、アンタ女嫌いでしょ?』
「朱音は平気。」
『あ、そうなの…。』
ポンポンと規則正しく頭を軽く叩かれる。
まるで子供をあやしているかのように。