双姫 Ⅰ
近付いた類の顔は吐息がかかる程近い。
そして、
『…んん……ッ!』
類の唇が私の唇と合わさった。
何度も角度を変えて重なる口付けに
戸惑いながらも
夢中になってる自分に気が付く。
でも、服に手をかけられた時
流石に血の気が引いた。
『だ、駄目!類!』
それでも続けられる口付けから逃れ、
止めるように拒絶した。
すると、
「抱きたい…朱音…抱かせて……?」
色を帯びた声に固まる事しか出来ない私は、
喧嘩が強くても所詮女なんだと実感した。