双姫 Ⅰ
昨日は制服を脱いで、
パーカーと逃走中に買った短パンで寝た。
つまり…ジッパーを下げると下着だけ。
『だだだだだだだ駄目ッ!!』
だから、全力で拒否を示した。
「………。」
無言の類。
分かってくれた……かな?
何も言わない類に不安を感じながら
様子を伺うと
ドンドンドンッ!
扉を叩く音が聞こえた。
「類~!朱音~!起きてるぅ~??」
この声は燐だ。
『ほ、ほら…学校行かなきゃ…ね?』
「類~!朱音~!?」
『あ、起きてるよー!』
「早く着替えて準備してねぇ~?
ご飯準備しとくから♪」
『はーい!!直ぐに準備するね!』
燐に返事をして類を見る。
『類…準備しよ?皆待ってる。』
「……分かった。」
その言葉に安心して強ばってた力が抜けた。
「でも、次は止めないからね。」
耳元で甘く囁いて類は部屋から出て行った。
それを呆然と見てた私は
きっと茹でダコのように赤かった筈。