双姫 Ⅰ
『おはよー…。』
部屋を出ると皆はご飯を並べてた。
それも朝食には豪華な物ばかり。
和食から洋食まで幅広い料理だ。
『凄い…誰が作ったの?』
「皆で作ったんだよぉ~♪おはよ、朱音!」
『おはよ、芦基。それにしても大量だね…。』
「なんたって成長期だから!」
酷い事言うようだけど
余り伸びてないと思うよ……。
『そ、そう!男だもんね…。』
芦基は背が低い事を気にしてる。
それでも私より少し高いんだけど
男からしたら低い方なんだろう…。
燐も同じ位かな?
てか、燐と芦基ってほとんど似てる。
兄弟みたい(笑)
だから、芦基もちょっかい出すのかな?
「ほらほら!座って!」
『え…。』
空いてる席は類の隣しか無い。
「どうしたんですか?
冷めてしまいますよ??」
舜ちゃんに急かされ私は恐る恐る座った。
「はい、朱音。」
『ありがと…。』
あれ?いつもの類だ…。
いつものように笑って
おかずを盛り付けたお皿を渡してくれる。
じゃあさっきのはなんだったんだろう…。
さっきの類を思い出す。
あの時の類はなんて言うか…狼みたいな……。
今は爽やかそうな感じだけど。
とにかく全然違う。
違い過ぎてなんだか変な感じがした。