双姫 Ⅰ
「なぁ、ヅラ取ったら?」
『ヅラじゃない!ウィッグ!!!』
「もう女だってバレたんだ。
隠す必要無いだろ?取れよ。」
誰がバラした、アンタでしょ!!!!
『……チッ………。』
ウィッグを取り、近くにある机に置く。
サラサラと長い髪が下りた。
「やっぱり、朱音はその方が良いな?」
そう言って笑う光ちゃんの目的が分からない。
『一体…何がしたいの。
どうして今更こんな事!!』
「…「手段はある」と言ったよな?」
『…ッ!?』
「この調子で行くから覚悟しとけよ?
おっし!それじゃあ一限目は自習な~?
プリントの問題解いとけよ~。」
光ちゃんは教卓を元に戻し、
その上にプリントを置いた。
そのまま私の横を通り過ぎ、
何も無かった様に教室から出て行った。