双姫 Ⅰ
『こ、断れないじゃん。』
「やってあげたら?
その代わり近付かせないからさ。」
『うん、お願い出来る…?』
「任せて!」
類に余り近付かせないように頼んで
黒板の前に立つ。
『えーっと…。
じゃあ、分からない所が多い問題からね?』
クラス「はい、先生!!!!」
いや、先生じゃないし(笑)
今まで関わらなかったのに
こんな形で関わるなんて思ってもみなかった。
出来るだけ分かりやすく、
簡潔に纏めて黒板に書いていく。
勿論、説明しながらね!
カッカカ!カツカッカカ!!
軽快な音をさせながら公式を書く。
『はい!ここからは自分で解いてみて!!』
何事も自分で解かないと覚えない。
先に答えを出してしまったら
考える事を止めてしまうものなんだよね。
『出来たら持って……ッ。』
「出来たら俺に渡して、採点するから。」
『類…。』
「大丈夫大丈夫、少しずつ慣れていけば良いよ。」
皆には見えない教卓の下で手を握る。
…あれ?
私、どうして拒絶反応出ないの?
ふと疑問に思った。
それも類にだけ…。