双姫 Ⅰ
「ハハッ!マヂ生意気だわ!!」
「まぁ、若いんでね。」
「俺も昔は若かったんだよ!」
『類!光ちゃん!!!』
「おー朱音、さっきは悪かったな?」
『馬鹿!こんなに怪我して何してんの!!』
しかもヘラヘラ笑って!
「悪かったって、心配してくれてありがとな?」
私の頭をポンポンと軽く叩き、
屋上から出て行く光ちゃん。
『光ちゃん!!!告白…冗談でも嬉しかったよ!』
私の言葉に足を止め、耳だけで聞いてる。
『すっごく嬉しかった!!
でも…光ちゃんは私にとってお兄ちゃんなの!
家族みたいに大切な存在だと思ってる!』
「……バーカ!
あんなの冗談に決まってんだろ?
俺だって冗談言う時ぐらいあんだよ!」
『光ちゃん…。』
「お前ら授業ちゃんと出ろよー?」
光ちゃんは手を振りながら屋上から出て行った。