双姫 Ⅰ
『あーあー…こんなになっちゃって。』
「し、沁みる…(泣)」
保健室に着いたけど先生は不在だったから
代わりに私が治療する事になった。
『でしょうね、光ちゃん大丈夫かな…。』
「それで藤先と屋上で何があって
そんな事になったんですか?」
「んー喧嘩?」
いや、それは見てたから知ってるよ…。
「そんな事分かってます。
知りたいのは喧嘩の理由です。」
ほら、類が適当に答えるから
李樹がキレちゃったじゃん(笑)
「…だから、男同士の『約束』なんだって。
皆にも教えられない。」
『李樹、諦めなよ…。
ここ迄言うんだから聞いても無駄。』
「……分かりました。」
「それにしても『光龍』に勝つなんてね!
凄いよ、類〜!」
「勝ったって言っても
あっちは族抜けて結構経つんだ。
それに自分でも「鈍ってる」って言ってたしな。」
『そうよ。
見た目が若くても実際は三十超えてんだから。』
「「「えぇ!?」」」
知らなかったのね…自分の担任の事なのに(笑)