双姫 Ⅰ
「それより!神崎さんテニスする?」
『あ……えぇっと…。』
私が戸惑っていると、
「それって俺らもする事って出来る?」
「あ!それ賛成~♪♪」
「大丈夫だと思いますよ?
コート有り余ってますしね。」
『皆…。』
「神崎さんモテモテ!良いなぁ~!!
そうと決まればこれラケット!
打ち方は基本自己流だよ(笑)」
『ありがとう…。
でも、どうして私に良くしてくれるの?』
だって男装してたのに…騙してたのに。
「だって、神崎さんめっちゃ良い子だし!」
「男装してたのはビックリしたけどね~?」
「でも、凄い似合ってた。」
「「分かる分かる/////」」
キャーキャーと私の前で騒ぐ女子達。
『ねぇ…これからは朱音って言って?
私も皆の事名前で呼んでも良いかな…??』
その言葉にピタッと止まった女子達。
あ、やっぱり駄目かな…。
「な、なんて可愛いのーーーーーー!!」
『へ?』
「是非呼んで!どんだけ呼んでも良いから!!」
「それとまた男装姿見せて欲しい。」
「うんうん!!!」
『そんなので良ければ…!』
女ってバレて良かったのかも。
光ちゃん…こうなる事分かってたのかな?