双姫 Ⅰ
『ふぅ~…汗かいた…。』
軽くテニスをした私達は影で休憩をする。
「朱音って凄い!
勉強も出来てスポーツも出来るなんて!」
『大袈裟だよ、麗桜(りお)』
私に声を掛けたのは麗桜。
そして、後の二人が聖(ひじり)と永遠(とわ)。
この高校には女子は余り居ない。
居ても一般人じゃないでしょうね。
三人は家が近いから適当に入学して
その後にここが不良校だと分かったらしい。
どんだけ馬鹿なの…(笑)
「それにしても
あの『双覇』がこんなに近くに居るなんて。」
聖が信じられないと
テニスを楽しんでる皆を見ている。
『同じクラスなのに?』
「あの人達いっつもサボってるよ~?(笑)」
陽気に笑う永遠。
この三人も個性があるんだよね。
麗桜は明るくて人を和ませる。
聖はクールで物静か。
永遠は至極おっとりしている。
皆違うのに気が合うのは
上手くバランスが保たれているからだろう。
変わってるのは
『双覇』に興味が無いという事。
普通なら発狂するのが当たり前なのに
この三人はそれが全く無い。
理由は彼氏が居るからだとか。
好きな人が居れば他はどうでも良いんだって。
でも、一人の人を想い続けるって
凄く素敵な事だよね!