双姫 Ⅰ
『うわぁ……凄い。』
校舎の天井のような
無機質な灰色なんかじゃない。
私が今見ているのは
鮮やかで澄みきった綺麗な『蒼』
『雲一つ無い、穢れない『蒼』。』
埃が少ない場所を見つけゴロンと寝転がる。
『……綺麗……。
やっぱり空は『蒼』でなくちゃね。』
空に向かって手を伸ばす。
でも、どんなに望んでも伸ばしても
決して手に出来ない。
それでも掴みたいと
手を伸ばす私の姿は滑稽だろうか?
『ねぇ、私は正しいよね…?』
答えてくれないと分かっていても
近くに居るって信じてる。
でも、夢でも良い姿を見せて。
声を聞かせて…?
そう願いながら私は眠りに落ちた。