双姫 Ⅰ
ピチャン……ピチャン…
なんの音?水……?
私の周りは暗くて何も見えない。
なのに水滴が落ちる音がハッキリ聞こえる。
何故かここに居たくない衝動に襲われ、
その音がする方へ走る。
『ハァ…ハァ……ハァ!!』
走るスピードを上げるにつれ
音もどんどん大きくなる。
『!?』
目の前に何かがある事が分かり立ち止まった。
「ナニか」が横たわり、
「ナニか」が「ソレ」を見下ろしている。
もう少し近付くと、
私と同じ朱い瞳を持つ少女が
同じ顔で蒼い瞳を持つ少女を見下ろしていた。
少女は私に気付いたのか
ゆっくりと顔を上げ瞳に捕える。
そしてこう呟いた。
『お前のせいだ。』