双姫 Ⅰ
『今の所、気配は感じない。』
今日は尾行してないのかな。
街を通り過ぎ、以前通った道を歩く。
「あの、なんかすみません…。」
『ん?気にしなくて良いよ。
巻き込まれたのは真白なんだし。
それと敬語とか止めない?
タメでしょ、朱音で良いよ。』
「じゃ、じゃあ朱音?」
『ん。』
たわいの無い話をしていると十字路が見えた。
それを右に曲がる。
『今回は中に入るまで見てるからな。』
念の為に男口調で話す。
「えへへ…じゃあ、入るね。」
『真白、これからは単独行動を控えろ。
奴らはどこで仕掛けてくるか分からない。
せめて五、六人で行動して欲しい。』
「分かった、覚えとく!!」
『じゃあな。
明日は誰か迎えに来るまで家を出るな。
鬱陶しいだろうが我慢してくれ。』
「うん!じゃあね!!」
無事、真白を送り届ける事が出来た。