双姫 Ⅰ
『あーやっと終わった。
体育は好きだけど今日は止めて欲しかった。』
やっとテストが終わり、
速攻で着替えて帰る準備をする。
「んな事言ってオール5じゃねぇかよ。
本当、お前って運動神経良過ぎだろ。」
まぁ、走り回ってたからね。小さい頃色々と。
『じゃあ、私と類は真白を迎えに行って来る。』
「おう、真白によろしくな。」
「明日は私ですね。
よろしく言っといて下さい。」
『ほーい。じゃあ、電話しよっかな。』
その方が手っ取り早いもんね!
プルルル…ブツ………ツーツーツー…
『…あれ?』
聞こえるのは機械音だけ。
それだけなのにこの不安感は何??
「朱音?行かないの??」
『真白に電話が繋がらない。』
私の言葉に緊張が走った。
「ねぇ、まさか…まさかねぇ??」
「一応調べるぞ、李樹パソコン持ってんな?」
「ありますよ。」
李樹がパソコンを開き、ハッキングを始める。
私達はそれを見つめる。
そして、
「…ヤられました。
彼女は…『蛇蝎』の手に落ちました。」
残酷な通告を受けた。