双姫 Ⅰ
「俺の可愛いペットを脅かすなよ。
その口喋れなくしてやろーか?」
「わ、私に何の用ですか!?」
「…分かんねぇか?
お前は『双覇』『双姫』を誘き出す餌だよ。
あの『双姫』に助けられた?
今まで冷酷に族を潰して来た奴が??
それに俺の事を恨んでるらしいからな。
興味を示さない訳が無いだろ??」
「皆に…皆に手を出さないで!!」
私のせいで私のせいで皆が…!
そんなの絶対嫌だ!
「俺は一度決めた事は覆さないんでね。
なぁ、姫さん。明日が楽しみだなぁ??」
東条は一人の男を残し、
笑いながら部屋を出て行った。
「朱音…ごめん……ごめんね?」
私…本当に馬鹿だ………。
暗い部屋で膝を抱えて泣いた。
真白sideEND