双姫 Ⅰ


『真白ッ!!』


ベッドから飛び起き、周りを見る。

見慣れた家具、私の部屋だ。


『夢……?』


それにしてはリアルな夢だった。
『蛇蝎』を潰す今日にあんな夢を見るなんて。


外を見ると今にも雨が降りそうな天気。

太陽が厚い雲に覆われていて、
いつもならなんとも思わないのに
今日は不吉だなと感じる。


服はなんとなく制服を着て、男装した。
何気に動きやすいし。

そして『双姫』の仮面を懐に入れた。


『…行くか。』


真白を取り戻す為に。

『蛇蝎』と…東条とケリをつける為に。


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