双姫 Ⅰ
あぁ…懐かしい。
ここも…ここも……何もかも覚えている。
公園が見えてスピードを落とす。
人が居ないか確認し、バイクを降りて停めた。
「朱音?どうしてここに??」
皆が不思議がるのも無理もない。
ここは只の公園なんだから。
『…ここからは歩いて行く。』
あの道はバイクでは通れない。
「へぇ~…こんな所にこんな道が合ったんだぁ!」
「不気味ですね…。」
『私も最初はそう思った。
そこで引き返しておけば良かったのに…。』
「朱音?どうし…『着いたよ。』」
細い道を通り過ぎたら開けた空間に出た。
「よぉ、『双覇』諸君遅かったな??」
目の前にアイツが居る。
あの時と同じ様に
「来ちゃ駄目ッ!!」
人質をとって、首にナイフを当てて
気味悪い笑みを浮かべている。
蒼空を殺したあの場所で。