双姫 Ⅰ
「死ぬんじゃねぇーよ!
お前ともっと色んな事してぇのに!!」
愁斗。
馬鹿で能天気で元気が取り柄な馬鹿…。
でも、意外と周りの事を見てて、
類と気まずそうにしてたら元気付けてくれた。
「死ぬなんて許さねぇぞ!」
玲。
俺様で上から目線でちょっとナルシがあるよね。
「お前を見捨てない」って言ってくれた時は
思わず泣きそうだったんだよ?
これからも『双覇』を守って。
「朱音、死なないよな?
だって『約束』したじゃんッ!!」
類…。
女嫌いだけど私には心を開いてくれた。
心を乱された事もあったけど
私も類には拒絶反応が出なかった。
『約束』したのにごめんね…?
『ヒュー……ヒュー…。』
言葉に出したいのに上手く出てこない。
瞼が重くなっていく。
皆の顔が霞んで見える…。
もう少し…。
もう少しだけ皆と一緒に居たかったなぁ……。
そこで、
私の意識はプツリと闇へ引きずり込まれた。