双姫 Ⅰ
側に居て
双覇side
ピッ…ピッ…ピッ……
機械音が部屋に響く。
ガララ
「朱音、今日も来たよ。」
「朱音~!僕ねテニス上手くなったんだよぉ?
早く朱音と勝負したいなぁ!」
「いつまで寝ているんですか。
「寝過ぎも良くない」と以前言いましたよね?」
「俺より寝ぼすけだなぁー!」
「愁斗と一緒にすんなよ。
朱音、真白も心配してんぞ?早く目ぇ覚ませよ。」
このやり取りを何度しただろう。
あれから三週間。
朱音はまだ目覚めないままだった。