双姫 Ⅰ
「ね、ねぇ。扉無いよ…?」
「んなの見りゃあ分かる。」
「行きましょう。」
五人で屋上に足を進めた。
「…居た。」
思った通り神崎は屋上に居た。
それも寝ているようだった。
「俺らが必死に探してたってのに
コイツは暢気に寝てやがる!!」
愁斗が悪態をつきながら
神崎の方へ歩き顔を覗こうとした時、
ガツン!!!!!
「『イッ…』」
「『テェーーーーーーーー!!!!!』」
神崎がいきなり起き上がって
愁斗と神崎の頭が勢い良くぶつかった。
スゲェ音したけど大丈夫なのか?
『…俺になんの用だ?』
そうだった、言う事あるんだった。
「率直に言うぞ。
神崎…いや蒼翔。『双覇』に入れ。」
思ってた事を言った。
でも、
蒼翔の口から出た言葉は酷く冷めたものだった。