双姫 Ⅰ
忠告
双覇side
「神崎 紘って生徒はどのクラスだ?」
とりあえず廊下を通る人に聞きまくる。
パンダメイクの女共が騒いでるが無視。
「に、2-Sに………。」
小柄で弱そうな男子生徒が震えながら答えた。
おいおい、これでも俺らの先輩か?
「おい、クラス分かったから行くぞ。」
俺達は2-Sに足を進めた。
「ここですね。」
「じゃ、サッサと聞いて帰っぞ!」
「帰るんじゃなくて蒼翔を探しに行くの!!」
ガララ
「ここに神崎 紘は居るか?」
生徒が一斉に俺らに視線を向けた。
すると、
「はいはーい!紘からの伝言!
「話があるなら屋上に来い」ってさ!!」
一人の男子生徒が陽気な声で話しかけてきた。
「屋上…ですか??」
「はい、そう言いましたよ。
紘は屋上に居ます。探していたんでしょう?」
「早く行って下さい。紘は気が短いから。」
なんだ、コイツら。
見た目は地味で弱そうなのにこの威圧感。
「……行くぞ。」
違和感を覚えながら四人に背を向け屋上へ進む。
その後ろで
四人が冷ややかに睨んでいたとも知らずに。