双姫 Ⅰ
「アイツらの態度、気にくわねぇ。」
屋上に向かう階段で愁斗が愚痴をこぼす。
「それに屋上でって…玲、どー思う?」
燐の言う通り屋上は『双覇』の縄張り。
そこで待つって何を考えてんだ??
「それは本人に聞けば分かります。
着きましたよ。」
目の前には修理されて元通りになった扉。
確か蒼翔にぶっ壊されたんだよな。この扉。
そう思いながらドアノブに手をかける。
「行くぞ。」
ガチャ
屋上の扉を開けた。